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                「さくらとえっちな冬休み」

 

  師走という言葉の意味は、知っています。でも、きっとその言葉を造ったの大人の方だった
 ろうことを思えば、私たち子供がそれを実感するのは無理なのでしょう。
  冬休みと一緒にやってくるクリスマス。誰もが駆け足でそこに向かう様は、いまとなってみ
 れば、まるでひとりの落伍者も出してはならないとでもいうように、互いの腕を引き合い、助
 け合っているのか、それとも罵り合っているのかの判別もつかない、脅迫観念に追い立てられ
 る、狂乱者の一丸となっていたのではないかとも思われます。
  ですから、その大きな目標が足跡の後ろに過ぎ去ってしまい、目の前に広がる安穏たる空間
 に身を委ねてみると、ほっと息をつきこそすれ、もうこれ以上騒ぎ立てたり、走り回ったりす
 る気にはなれないのです。まあ、それは私たちがそうする必要にかられていない子供だからこ
 そなのでしょうが。
  お正月までの僅かな期間、だから、町の景色もどこか落ちついた鉛色に染まって、うたた寝
 に耽っているように見えます。けれども、そんな景色の中を歩きながら、私の心だけは奇妙な
 興奮に包まれて揺れ動いているのです。胸の中でオレンジ色に輝く炭の熱が、奥歯の辺りに焦
 燥感を突きつけてくるような、そんな奇妙な興奮です。
  はしたないことですが、私はそんな興奮に、入浴を済ませ、出掛けに穿き替えたショーツの
 中心を、ぬるぬるにさせていました。性器から分泌された体液はスカートの中で外気に冷やさ
 れ、一歩足を踏み出すたびに刺激を送り返し、温かく新しい体液を溢れ出させるのです。じっ
 とりと湿った感触はおしりの方まで広がっています。白いタイツのふとももまで広がっている
 のかもしれません。きっとスカートの中は、いやらしい匂いでいっぱいになっているのでしょ
 う。
  じわり、とたくさん溢れました。自分の匂いを想像してしまい、つい漏らしてしまったので
 す。性器の奥、子宮から骨盤に蟲が這い回り、あふん、と甘い吐息が漏れて、私はその場に座
 り込みそうになってしまいました。
  なんとか膝に力を込めて堪えましたが、そちらに意識を奪われた為でしょうか、緩くなった
 口許から、ねっとりとした唾液が糸を引いて、ゆっくりと路面に落ちるのを止められませんで
 した。
  ふと横顔に視線を感じたので首を巡らせると、三才くらいの男の子が、立ち話をしている母
 親に手を握られたまま、珍しそうにこちらを見つめているのが目に入りました。賢そうな男の
 子です。きっと自分よりも年上の「おねえさん」がだらしなく涎を零すのを見て、不思議に思
 ったのでしょう。
  男の子はじっとこちらを見上げています。その真摯な、或いは考慮というものをまったく知
 らない視線を受け止めているうちに、ふいに激しい怒りがこみ上げたのには、私自身驚いてし
 まいました。
  想像の中の僅かな時間、私はその男の子の首を締めて殺していました。
  次に自覚したのは、激しい興奮です。私のだらしなさは、まだまだこんなものではありませ
 んのよ、と、その場で両足を広げたい衝動にかられてしまいましたが、ここはぐっと我慢です。
 もう少し歩けば、さくらちゃんのお家に辿り着くのですから。今日という日を夢見ながら、日
 課になっている自慰を二週間も我慢してきたのです。こんなところで溜まりに溜まった性欲を
 開放するわけにはいきません。
  また漏らしてしまいました。さくらちゃんのお顔を思い浮かべただけで、ぷしゅんと音が立
 ちそうになるくらい吹き出してしまいます。おいしくいただいた飲み物や食べ物の水分を使っ
 て、私の身体が作ったえっちな液体。他にもっと使い道があるはずなのに、こんなものにして
 しまうなんて。私って、なんてえっちな女の子なんでしょう。こんな性欲しか頭にないだらし
 ない女の子なんて、内蔵をぶちまけて死んでしまえばいいんです。きっとたくさんの男の方が、
 それを見ながら自慰に耽るのでしょう。ねっとりとした精液が私の死骸の上に降り注ぐのです。
 なんて素晴らしいんでしょう。
  そんな破滅的な夢想に漂いながらも、私の足は一歩一歩、確実に進んで行きます。もちろん
 性器からは体液を吹き出しつつです。結局、待望久しいさくらちゃんのお家の前に到着したこ
 ろには、タイツの膝のあたりまでが湿っていました。弁解をするつもりはありませんが、これ
 ほど大量の愛液を漏らしたことは今までになかったことです。まったく、これほどの量が自分
 の体内に蓄積されていたなんて驚きです。男の方の精液は、睾丸で作られたあとに溜まり続け
 るそうですが、女の子もそうなのでしょうか。やはり、二週間の禁欲生活は長かったようです。
 ここ三日ほどは、毎晩のように淫夢に浮かされていたのも無理はないと思われます。
  ちらと見上げると、二階にあるさくらちゃんのお部屋に明かりが灯っているのが見えました。
 まだ時刻はお昼前ですが、曇り空のせいで太陽の光は強くありません。
  小さな階段を踏みしめて門を抜け、玄関の扉を暫し見つめた後、私はちょっと気取った手つ
 きで呼び鈴のスイッチを押します。いつのころからか、これがさくらちゃんのお家に入る為に
 取り決めた、私だけの小さな儀式。
  耳慣れた呼び鈴が響いて暫く、ゆっくり十数えたところで扉が開きました。いつもと同じタ
 イミング。つい数日前、クリスマスパーティにお呼ばれしたときもそうでした。
 「いらっしゃい、知世ちゃん」
 「こんにちは、さくらちゃん」
  これもいつもと同じ挨拶。にこにこしたさくらちゃんの息が、ほんの少しだけ上がっている
 のもいつもと同じ。さくらちゃんのお部屋から、十の数字が埋めた距離の代償。ほんとうに嬉
 しそうなさくらちゃんの態度は、ころころとじゃれつく子犬にも似ています。
  いま、この瞬間も。
  私が、ぴゅ、ぴゅ、と愛液を吹き出していると知ったら、さくらちゃん、あなたはどんなお
 顔を見せて下さるんでしょうか?
  さくらちゃんは私を招き入れながら、
 「さむくなかった?」
  と気を遣ってくれます。
 「いいえ、ちっとも」
  と応えた私ですが、事実、寒さは殆ど感じていませんでした。それどころか寒風が頬に心地
 良ければこそ、屋内の温かい空気が身を包むにつれ、肌がちくちくするような暑さを感じたく
 らいです。
  でも、不快感はありません。さくらちゃんの生活匂に包まれているのに、どうしてそれが不
 快に感じられるでしょうか。それに、この暖かさはさくらちゃんが私に寄せてくれた好意に違
 いないのです。前もって伺いに参る旨を電話で報らせた際に、御家族は揃って不在だと仰って
 いたのです。ひとりきりの家内を、自室以外も温めておく必要はありません。玄関に入った瞬
 間から、私が気持ち良くなるように迎えようとしてくれたのでしょう。
  自室に案内されながら、先にたって階段をのぼるさくらちゃんのおしりを、私はじっと見つ
 めていました。目の前で揺れる、キュロットパンツに包まれた小さなおしり。甘酸っぱい匂い
 を嗅いだような気までしてきます。いまも記憶の中に残るあの香りを知ったのは、遡ること半
 年も経たない暑い日の昼下がりだったでしょうか。
 「今日はなにを作ってきてくれたの?」
  ふいに振り向いたさくらちゃんが問い掛けてきました。
  私は携えてきた小箱を翳し、
 「ケーキを焼いてきました」
  とすぐに応えました。心の深い場所でさくらちゃんの性器をいじりまわしながらも、表面上
 には微塵の躊躇も見せません。常にそうしてきた経験の成せるところでしょうが、私は自分の
 いやらしい夢想を、さくらちゃんにだけは決して悟られはしないのです。
 「この前食べたばかりですけれど、よろしかったでしょうか?」
 「知世ちゃんの作るケーキ、おいしいもん。毎日だって食べられるよ」
 「ありがとうございます。さくらちゃんのケーキも美味しかったですわ」
 「家庭科の授業で練習したのがよかったみたい。誰にも手伝ってもらわないでクリスマスケー
 キを作ったのって、始めてだったんだよ?」
  照れながらも、さくらちゃんは嬉しそうです。褒められて嬉しい、失敗して悲しい。さくら
 ちゃんは感情をとても素直に表します。それは思慮が足りないのではなく、純真だから──そ
 れさえも白痴だという意見は受け入れません──だと私は信じています。その証拠に、ただひ
 とつの感情だけは、人目に晒しはしないのです。あの日、私が教えて差し上げた感覚に付随す
 る感情。一度知ってしまったからには、それを覚えずにはいられないはずです。
 「じゃあ、お茶、煎れてくるね。ちょっと待ってて」
  自室の扉を開いて、さくらちゃんは踵を返して階下のキッチンへと向かいました。私だけ二
 階に向かわせればよいところを、わざわざここまで同伴してくれた優しさが染み入ります。
  軽やかな足音が遠ざかっていく中、私はさくらちゃんのお部屋に我が身を誘います。
  瞬間、陶酔しそうになってしまいました。
  確かに他とは違うさくらちゃんの匂いが余すところなく私を包みます。柔らかく、儚げな甘
 酸っぱい匂い。毎回ここを訪れる度、そのときばかりは緩む口許を隠すのに苦労します。それ
 に加えて今回は、膣までかぱくぱくと開いたり閉じたりしているのですから、腰が痙攣するの
 を止めるだけで精一杯です。涎か幾筋かフローリングの床に円形の跡をつけてしまいました。
 「おまんこが……」
  むずむずする疼きにそんな言葉を口走った私は、慌ててケーキの入った小箱を床に置くと、
 さくらちゃんのベッドに顔を埋めました。ひんやりとしたシーツに、消えかけた糊の匂い。そ
 れさえも甘美です。全身をもじもじとくねらせずにはいられません。性欲の素晴らしいところ
 は、五感のすべてに訴えかける事象をそれと認識出来るところにあるのではないでしょうか。
 或いはそれを抑えられない意志薄弱たる自分を責めるべきなのかもしれませんが。
  他人のベッドに全身を投げ出し、あうう、あうう、と唸りながらかくかくと腰を振る卑しい
 姿を晒している私は、発作的にさくらちゃんの枕を掴んで口許に引き寄せました。唇を這わせ、
 ざらついた布地をねぶり、唾液を大量に染みつかせては、音を立ててそれを吸い取ります。も
 うたまりません。子宮が裏返って、膣から大量の愛液と共に飛び出してしまいそうです。いえ、
 事実それを願って、私は必死になって下腹部に力を込めていたくらいです。
  ピンク色に溶け出した脳細胞に、閃きのようなイメージが瞬きました。ころりと身体を転が
 した私は、ベッドの縁から床までの僅かな高さを、背中から落下して埋め合わせます。ごん、
 と後頭部が鈍い音を立てて不満の意を表し、同時におならまで出てしまいましたが、そんなも
 のに耳を貸していられる状態ではありません。ごきぶりのような素早さで腹這いになると、ベ
 ッドの蔭に隠すように置かれていた、円筒形の小さなくずかごを抱きかかえました。
  這いつくばったまま中身を漁ると、やはりありました。ノートから破り取ったのでしょう、
 わざと間違えたと思われる数式やら何やらを書いては、適当な皺を入れて覆うように置かれて
 いた紙片を取り除くと、その下には大量の、使用済みのティッシュペーパーが詰め込まれてい
 たのです。恐らくはあの日までのさくらちゃんにはなかった行為。自らの後ろめたさを、丁寧
 に、しかし不自然にならぬようにと腐心して隠していたのでしょう。私にも覚えがあります。
 もっともそれは五才にもならない頃のことですが。
  丸められたティッシュペーパを取り出すと、少しごわついていました。慎重に広げると、ほ
 んの少し黄色く変色しています。躊躇せずに鼻を近づけると、潮溜まりにも似た、すえた匂い
 が脳髄を刺激してきました。嗅ぎ慣れているとも、嗅ぎ慣れないともいえる匂い。私の身体、
 そしてさくらちゃんの身体が分泌した同じ物質。でも、それは決して同一たりえないのです。
  興奮の極みに達した私は、ころりと仰向けになると、そのままティッシュペーパーをくわえ、
 唾液で乾いた物質を溶かしては、ちゅうちゅうと吸い取りました。こくり、と喉が鳴る度に、
 性器からは愛液が漏れます。
  足音が近づいてきます。両手で捧げたトレイに、紅茶の満たされたカップを載せて、にこに
 こしているさくらちゃんに違いありません。過去に一度さくらちゃんの煎れてくれた紅茶を褒
 めて差し上げたときから、滅多なことがないかぎりは、私にはコーヒーではなくて紅茶を煎れ
 てくれるのです。
  私は相変わらずティッシュを口に含んだまま、更には腰まで持ち上げて、それを上下に振り
 立てています。自然とおしりが動いてしまうのです。もちろんこのままでは、それをさくらち
 ゃんに見られてしまいますが、やめる気はありません。何のために二週間の禁欲生活を悶々鬱
 々と過ごしてきたのかといえば、すべてはこのときの為、自らの理性──わずかばかりかもし
 れませんが──を性欲が上回り、さくらちゃんの前で破廉恥な振る舞いが出来るようになるの
 をのをもくろんでいたからに他ならないのです。
  私はさくらちゃんを性欲の対象としてだけ見ているわけではありません。もちろん性欲は人
 一倍強い方だと思いますし、もし私とえっちなことをしてもよいと仰ってくれる方がいてくれ
 るならば、その人物の表面的、内面的な好みを問わずに、喜んでそのお誘いを受けることでし
 ょう。
  いいえ、そのつもりならば無作為に選んだ適当な殿方の前で脚を開けばいいのです、大抵の
 方はペニスを勃起させて私にのしかかってくるに違いありません。知り合いである必要はない
 のです。暗い夜道を選び、たまたま通りかかったひとでよいのです。単に性欲を満たすだけな
 らばそれでことは足ります。実際、何度それを実行に移そうかと眠れぬ夜を過ごしたか知れま
 せん。
  ですが、それはあくまで理性の関知しない部分での妄想に過ぎません。実社会に生きる人々
 は、私を含めて理性に縛られています。実際に件のような行動に出たならば、どのような事態
 に陥るのか想像に難くありません。目の前で性器を剥き出しにしてセックスをねだる少女を目
 にした方は、或いは応ずるかもしれませんが、或いは警察に届け出るかもしれません。その結
 果は考えるだに恐ろしいことです。性欲によって生活が目茶苦茶になってしまいます。よしん
 ばセックスが出来たとして、私はまだ処女です。しかも、年端の行かない子供です。それにど
 んな痛みや困難が付きまとうのかを知っていればこそ、おいそれと実行には移せません。つま
 り、この時点において、後先を考えない性欲に対し、私の理性は優位を保っているわけです。
  薄弱な、しかし強靱な理性をどのようにやり過ごすのか。導き出された答えが今回の行動で
 す。さくらちゃんは、同性の、私より性的知識に乏しい女の子です。私の大好きな、可愛らし
 い少女です。私のことを考えてくれる、とても優しいひとなのです。安全で、しかも肉体的な
 欲望だけではなく、精神的な欲望までも満たす相手として、これほどの適任者は他にありませ
 ん。ある意味では、私にとってのさくらちゃんは、ひとが誰に憚ることなくセックスを楽しめ
 るよう、必死になって探し求めている恋人と同義なのです。決定的な事実としてですが、過去
 に私と身体を併せた経験があるさくらちゃんが相手ならば、私も必要以上の羞恥や遠慮、それ
 に後先という厄介な理性に束縛されることもありません。多少性欲を膨らませてしまえば、今
 回のような行動が採れるのです。
  あの日より後。危惧したような違和感もなく、私たちはそれまでと同じようにお付き合いを
 続けていました。ふたりで性の快楽に耽った時間が、どちらの口頭にも登らなかったのも、そ
 のときは私を安心させる要因たりえたのです。ですが、始めて他人と──さくらちゃんと肌を
 合わせた悦び、自慰では決して得られない悦び、それまでは夢想するしかなかった行為が、突
 然現実となった悦びは忘れ難く、日に日にいつもと同じふたりという現実に、私の心は乱され
 たのです。もう一度さくらちゃんと肌を合わせたい。そんな欲望を膨らませるのに、さしたる
 苦労はありませんでした。もちろん膨らんだ欲望を抑え続けた二週間という日々は地獄以外の
 何物でもありませんでしたが──。

 

 「と、知世ちゃん……。なに、してるの……?」
  つい、と頭を持ち上げてみれば、いつのまにやら開け放たれた扉の間隙に、呆然と立ち尽く
 すさくらちゃんの姿がありました。捧げ持ったトレイに置かれた二組のカップから立ち昇る湯
 気をまとわりつかせたまま、小さなお顔は、寸前まではごく自然であっただろう、しかしいま
 は硬直した笑顔を浮かべています。
 「見ての通りですわ……」
  応える私の声は、未だに振り続けられる腰の動きと同調して震えています。なんてみっとも
 なくも刺激的なんでしょうか。もう失禁してしまいそうです。いえ、痺れるような感覚が尿道
 口にあります。多少の尿は漏れてしまったでしょう。
 「み、みてのとおりって──あっ!?」
  カップが涼しげな響きをもって、さくらちゃんの動揺を伝えてきました。私の口許と、それ
 からこれは私もいまのいままで気づかなかったのですが、倒れたくずかごから辺りに散乱した
 内容物を目にしたからでしょう。見る間にさくらちゃんは泣きそうな表情を浮かべて、真っ赤
 になって絶句してしまいました。
 「へう~~~~ッ!?」
  仰け反ってしまいました。背骨も折れるのではないかという見事なブリッジです。おしりの
 穴がぱくぱくしてしまいます。
  びくり、と肩を撥ね上げたさくらちゃんが、
 「ど、どうしたの!?」
  と慌てて部屋に踏み込んできます。
  私は涎をたらしながら、息も絶え絶えに応えました。
 「い、いきそうになってしまいましたわ……。羞恥に染まるさくらちゃんのほっぺた、毟り取
 って、口一杯に頬張って、くちゃくちゃと咀嚼を繰り返した後に、一息に嚥下するんです……。
 さくらちゃんのお肉は胃液に融かされて腸に送り込まれ、栄養を吸収されて排泄物に成り下が
 るんです……。ああ、その排泄物が肛門を滑り抜ける感覚を想像しただけで……」
  それから暫く、ふんふんと荒い私の鼻息だけが響きましたが、
 「ほ、ほえええええ!?」
  と、唐突にさくらちゃんの叫びが上がりました。あ、またいきそうになってしまいました。
 胎内に猛烈な痒みが走っています。なんて素晴らしくももどかしい性の躍動なのでしょうか。
  じりり、と退きながら頬を引きつらせていたさくらちゃんでしたが、すぐに私が興奮の極み
 に陶酔していることを悟り、それを妄言と──私としては本気なのですが──受け止めて胸を
 なで下ろしたようです。やはり一度理性を取り払った姿を見せあったふたりですから、その辺
 りの機微を感じ取るのはたやすいことです。絶頂に悶えながら、これほどまでに気持ちがよい
 のならば、死んでしまっても構わないと絶叫したのは、他でもない、さくらちゃんなのですか
 ら。
  さくらちゃんはトレイを机の上に載せると、そっと腰を折り、なにか熱い物にでも触れるよ
 うに、上下運動を繰り返している私の腰に手を当てて言いました。
 「と、とにかく、これ、やめようよ。だめだよ、その、人前でこんなことしちゃ」
 「悲しいことを仰らないでくださいな……。私は、さくらちゃんの前でしかこんなことは致し
 ませんわ……」
  言いながら、私はさくらちゃんの手の暖かさに、上下運動に左右の運動を加味して、ついに
 はぐりんぐりんと腰を回転させてしまいます。
  あうう、と唸って、さくらちゃんは今度は私の口からティッシュペーパーを奪おうとしまし
 たが、そうはさせません。こんな素敵な品物、いくら相手がさくらちゃんといえども簡単に渡
 すわけにはいかないのです。
  諦めたさくらちゃんは、悲しそうにくずかごを立て直し、散乱した内容物を拾い集めにかか
 ったようです。
  私は虚ろな眼差しで、そっとティッシュペーパーをつまみ上げる指先を追いながら、
 「気持ち、よろしかったですか?」
  と尋ねました。
 「な、なにが?」
  上擦った声。こちらに視線を向けようともしてくれません。
 「もちろん自慰ですわ」
 「あう……」
  耳まで真っ赤になりながらも、否定はなさらないさくらちゃんです。私が御自分よりも性知
 識に優れていると理解していればこそ、テイッシュペーパーに染み込んだ物質の正体を隠した
 ところで無駄になるとお思いになっているのでしょう。
  私はねっとりと見つめながら続けます。
 「綺麗好きのさくらちゃんですもの。くずかごは定期的に空になさるはずですわ。それなのに
 ティッシュペーパーがこんなに沢山。日に四度はなさっているんじゃありませんか?」
 「そんなに──」
  と慌てて言って、次には消え入りそうな声で、
 「して、ないもん……」
  と俯くさんらちゃん。
 「あら、それではどの程度?」
 「あの……その……に、二回くらい……」
 「まあ」
  別に他意はなかったのですが、私の声にさくらちゃんは慌ててしまったようです。
 「お、多いのかな?」
 「どうでしょうか。でも、私よりは少ないですわ」
 「と、知世ちゃんより……か」
  なにか複雑な表情になってしまったさくらちゃん。当然でしょう。恐らくは私が他の方々よ
 りも多くしているとお思いになっているはずです。私も訪いてまわっている訳ではないので、
 他の方々の自慰の回数などは解りませんが、私自身は日に六度は性器に指を延ばしてしまう女
 の子ですから、その考えは正鵠を得ているに違いありません。そんなえっちなサンプルと比較
 したところで、なんの慰めにもならないでしょう。
  ひとしきり悩んだ後、
 「わたしって、えっちなのかなあ……」
  と、さくらちゃんは呟きました。
 「どうでしょう。でも、もしえっちだとして、なにか不都合がございますか?」
 「だって、なんだか悪いことをしてるみたいで……」
 「誰に迷惑をかける訳でもありませんよ?」
 「うん……」
  私はここで、ふいにとある知識が浮かび上がってくるのを感じました。さくらちゃんを慰め
 るつもりで、口を開きます。
 「とある猿の一種は、仲間内でいさかいが起こりそうになったとき──たとえば大量の餌を発
 見して激しく興奮したときなどですが、そんなとき彼らは、群れの中で誰彼構わずに性交を行
 うそうです。そうやって興奮を発散するんですね。性的な興奮は、恐らく他のどんな種類の興
 奮よりも優先されて、しかも手軽に発散出来ますから。それを考えれば、自慰も世界平和に繋
 がるのではありませんか?」
 「そ、そうかなあ?」
 「きっとそうですわ」
 「そ、そうかなあ?」
  二度繰り返して、さくらちゃんは泣き笑いのような表情を浮かべ、
 「でも、おさるさんといっしょなんて、ちょっと恥ずかしいよ……」
  と、ひとさし指で頬を掻きました。
  私は胸の中で、私のような発情した雌犬よりはましですわ、と呟きました。いえ、決して自
 分を蔑んでいる訳では──いいえ、そうなのかもしれません。ですが、その考えが性欲を煽る
 のです。きっと私の中には、自分は財閥の令嬢なのだという奢りがあるのでしょう。だからこ
 そ自らが下賤な下々の民衆と同一、或いは更に下等な存在だと考えることに興奮するのです。
 普段の私にそんな考えはないと思いたいのも真実ですが、何の不自由もなく広い屋敷に居住し、
 ボディガードの方々やメイドさんにかしづかれているのもまた事実なのです。ひょっとすると
 さくらちゃんに寄せている好意でさえ──。
  嫌な考えを振り払い、
 「いいじゃありませんか、おさるさんでも。私はさくらちゃんと一緒ならば、それでも幸せで
 すわ」
 「いっしょって……もしかして……」
 「はい」
 「す、するの?」
 「したいですわ。さくらちゃんと楽しむ為に、二週間も自慰を我慢しましたの」
 「ふええ……」
  ぽかんとするさくらちゃんに、ちょっと意地の悪い質問をぶつけてみます。
 「さくらちゃん、自慰を二週間も我慢出来ますか?」
 「う──出来ないかも……」
 「いやらしいですわ」
 「ひ、ひどいよ知世ちゃん、知世ちゃんが教えたからじゃない……あんなに……きもちいいこ
 と……」
 「冗談ですわ。そうですわね、あんなに気持ちのいいこと、しない訳にはいきませんわね」
 「うう……」
 「ですから、ふたりでいたしましょう」
 「でも……」
 「仕方ありませんわ、こうなれば無理にでも──」
 「ほえ?」
  がばりと起き上がった私は、うろたえるさくらちゃんから一瞬たりとも視線を逸らさずに、
 それは素晴らしい勢いでタイツとショーツを纏めて脱ぎ去りました。既に激しすぎる性欲に吐
 き気すら催しているのです。このままでは消化の末期にある朝食を、すべて戻してしまいます。
 ──それも刺激的で良いかもしれませんが。
 「さくらちゃんっ!」
 「うわっぷ──」
  私はさくらちゃんに飛びかかり、そのままベッドへと押し倒してしまいました。
  さくらちゃんは必死になって暴れます。でも、声は出しません。と、言うよりも、出そうに
 も出せないのです。何故なら私の湿ったタイツが、そのお顔に押しつけられているから。
 「うう~~~ッ!」
 「吸って! 吸って下さいさくらちゃん! 私の愛液を──」
  押しつける掌に、じっとりと冷たい感触があります。それを押しつけられているさくらちゃ
 んは、お顔全体で感じているはずです。その鼻孔に、口内に、私の潮の香りが広がっていると
 思うとたまりません。性器がひくひくと蠢き、愛液がぴゅる、ぴゅる、と吹き出ているのが判
 ります。
  それからどれほどの時間が過ぎたのでしょうか、恐らくは数分でしょうが、じんわりとさく
 らちゃんの身体から力が抜けてゆくのが感じられました。私はそれでも用心を怠らず、押さえ
 つける力を緩めません。不意を衝けたからこそさくらちゃんを拘束できたのであって、まとも
 に体力で勝負に出たのなら、勝ち目はまるでないのです。
  それでも私は、相変わらず身体を重ねたままですが、そっと掌を放し、丸められたタイツを
 ゆっくりと剥がしてみました。
  現れたさくらちゃんのお顔は、汗をかいたように湿っています。更にタイツを剥がしたとこ
 ろで、私は嬉しくなってしまいました。さくらちゃんはうっとりと瞼を閉じたまま、小さなお
 口でちゅうちゅうと音を立ててタイツを吸っていたのです。時折こくり、と喉が鳴るのが愛ら
 しくて仕方ありません。
 「さくらちゃん……」
  声をかけると、
 「知世ちゃんの匂い……えっちなきもちになっちゃった……」
  と、とろりとした瞳で見上げてくれました。
 「さくらちゃん!」
 「あうう、知世ちゃあん……」
  私は小さな身体にしがみつくと、ぺろぺろとさくらちゃんのお顔を舐め回します。甘い脂の
 薄い肌の味と、私の愛液の味が舌に染みつきます。つるつるのさくらちゃんのお顔は、あっと
 いう間に私の唾液まみれになり、ぷん、とその匂いが立ち昇ってきました。
  桜色の唇をぷりぷりと弾くように舐めると、さくらちゃんが大きく口を開きます。私は口の
 中に溜めた唾液を、たっぷりと注ぎ込みました。さくらちゃんはそれを口の中でくちゃくちゃ
 と弄び、こくりと飲み込んでくれます。性的知識に乏しくとも、痺れるような性欲に、自然と
 そんなことをさせられてしまうのでしょう。さくらちゃんのそんな態度は、私の子宮を激しく
 痙攣させてくれます。
 「知世ちゃんのつば、ぬるぬるしてて、ちょっとすっぱいよ……」
  そう言いながら、はあはあと喘ぐさくらちゃんの息は紅茶の香りがします。先程煎れた紅茶
 の味見でもしたのでしょう。
 「朝食にレモンサラダを頂きましたから。お嫌ですか?」
 「ううん……えっちな味がして、すっごくおいしい……」
  上気したさくらちゃんから、新しい匂いがふんわりと昇ってきます。甘いさくらちゃんの体
 臭。悪く言えば、零した牛乳を拭いて放置した雑巾から漂う悪臭を、ずっと薄くしたような匂
 いですが、それがたまらなく心地良いのです。香水でさえ原液の香りは悪臭以外の何物でもな
 いのですから、香りとはそういうものなのかもしれません。
 「知世ちゃん……あのね……」
  もじもじとさくらちゃんが言いました。
 「なんですか?」
 「あのね……。キ、キス……して、ほしいな……」
 「さくらちゃんはお口でも気持ち良くなれますものね……」
 「うん……。でも、それだって知世ちゃんに教えてもら──」
  んちゅう、と音を立てて、私は話している途中のさくらちゃんの唇に吸いつきました。さく
 らちゃんはすぐに口を開いて、私の舌を求めます。ぬるりと温かな口の中へと舌を伸ばすと、
 さくらちゃんの舌が私の舌を押し上げて、口蓋へと導きました。どうやらそこがお気に入りの
 ようです。私がそこを愛撫すると快感を得られるとお教えしてから、きっと自慰の際にもおひ
 とりで刺激していたのでしょう。
  固くて滑らかな起伏のある粘膜を舌先でなぞると、
 「ひん……」
  と可愛らしい悲鳴が耳を刺激してきます。びくびくっと震えたさくらちゃんは、もじもじと
 身体をくねらせながら私にしがみついてきました。鼻息を滑稽なくらい不規則に吹き出しては、
 鼻孔をぱくぱくとさせています。
  私もさくらちゃんの唾液を吸い取りながら、うっとりと口内を舐め回し、くにゃりと柔らか
 い舌の感触を堪能します。そっと見てみれば、さくらちゃんは白痴のようなお顔をして、半眼
 に開いた瞼の間で白目を剥いていました。
  ぬるついた音が小さく響く中、さくらちゃんのお口からは唾液が溢れ、頬を伝った二人分の
 体液は、そのまま後ろ髪の中へと染みてゆきました。

 

  気が付けば、舌を絡め合いながら、どちらの腰もくねくねと淫猥に蠢いていました。いえ、
 私はともかくさくらちゃんの腰は、淫猥に、というよりは、もどかしく切ない、幼い性を具現
 化した動きと述べた方がいいかもしれませんが。とにかく私たちはむずむずする性器に刺激を
 得ようと、互いに腰を振りあっているのです。もちろん重なったままの動きですから直接的な
 刺激は得られようはずもありませんが、私にしてみれば、ぷっくりと弾むさくらちゃんのおな
 かの動きを感じるだけで、猛烈な性欲の昂りを覚えるのです。
 「へうん……」
  唇を離すと、さくらちゃんは名残惜しそうに舌を伸ばしながら、奇妙な吐息をつきましたが、
 すぐに期待に瞳を輝かせ始めました。私が少し身体を浮かせ、長袖の、しかし薄手のシャツの
 裾を捲くり上げたからです。
 「ちくび、さわってくれるの?」
  嬉しそうに言うさくらちゃん。乳首、などと口にするのははしたないことですが、きっとこ
 れもさくらちゃんが始めて経験した性体験の際に、私がそう呼称していたからなのでしょう。
  私は無言で頷いて、さくらちゃんの薄い胸部を露にしました。
 「あら、さくらちゃんの乳首……」
 「う、うん……」
  驚いて言うと、さくらちゃんは恥ずかしげに、でもどこか誇らしげに頷きました。
 「な、なんかね、最近おっきくなってきたみたいなの」
 「素敵ですわ……」
 「ち、ちょっと恥ずかしいな……」
  さくらちゃんの乳首は、前回目にした時とは様相を違えていました。もちろんまだ乳房その
 ものは発達していません。肋骨がなだらかに浮き出ている、少女の胸です。でも乳首の周辺だ
 けは、立派に膨らみつつあるのです。乳輪が鋭角に立ち上がって、その頂点にある小さな乳首
 を誇示しています。アンバランスで不格好ではありますが、確かな成長の痕跡です。
  誘うようないやらしい乳首に、私はぱっくりと吸いつきます。
 「うきゅ──」
  さくらちゃんが喉の奥から妙な声を漏らしました。私はふよふよとした舌触りの乳首を舐め
 回します。吸引してみれば、つるりとかなり奥の方まで入ってくるので、思う存分に刺激を送
 れるのが素晴らしいことこの上ありません。舐めているこちらまで、口の中がむずむずしてき
 ます。
 「あ、あったかいよ……ぬるぬるだよう……ぼっきしちゃうよう……」
  そう言い終わらない内に、小さな乳首がこりこりと腫れ上がってきました。そこを舌先でつ
 ついてみれば、いまにもぽろりと取れてしまうのではと思えるような感触です。勃起したさく
 らちゃんの乳首、なんて素晴らしいんでしょう。それは間違いなく、さくらちゃんが性的な興
 奮と快感に翻弄されていることを示しているのです。自分自身が感じているあの感覚を、この
 小さな身体の持ち主が味わっていると思うと──殺したいほどに興奮してしまいます。
 「とも……ちくび……きもちいいよう……きもち……ぐふ──!?」
  さくらちゃんの息が詰まりました。何故って、私が乳首を舐めながら、両手で細い頸を締め
 ているからです。頸の筋肉が張り詰め、指先に固い弾力を返してきます。
 「────ッ!」
  ばたばたとさくらちゃんが暴れます。きっと死ぬほど気持ちが良いのに違いありません。私
 はここぞとばかり、喉の付け根に当たっている親指に、込められるだけの力を込めました。そ
 れとは対照的に、乳首への刺激はあくまでも柔らかく、くにくにと甘噛みを繰り返しています。
 ここから母乳が出ないのが残念でなりません。一度でいいから、さくらちゃんのミルクを飲ん
 でみたいものです。
  さくらちゃんの頸が痙攣を始めました。あと数分も経たない内に、小さな身体の小さな心臓
 は鼓動を停めるでしょう──。
  はたと我に返り、私は両手を離しました。
 「──ひゅう~~~~~ッ!」
  詰まっていた息が勢い良く吸い込まれ、美しい音色を奏でます。呼吸音でさえ、さくらちゃ
 んのものと解ります。
  続いて激しく咳き込む音が聞こえました。いえ、いまだに舐め続けている胸そのものが跳ね
 回っているので、乳首を噛んでしまわないか心配です。
 「ひ……どいよ……ともよ……ちゃん……」
  思うように声が出ないようです。発音がすべて濁音になっていますが、やはりそれさえもさ
 くらちゃんの声です。
  私は平然と、
 「きもち、よろしくありませんでしたか?」
  と顔を上げました。さくらちゃんは真っ赤に鬱血したお顔で、瞳にたっぷりと涙を溜めてい
 ます。
 「よ、よくないよ……苦しかったよう……」
 「まあ」
  私は胸の奥に蠢く恐怖心を押しつぶしました。我知らずにさくらちゃんを死に至らしめると
 ころだったという事実は、恐らく性欲が去った後に私を苛むでしょうが、いまはさしたる問題
 とも思えないのです。この世と訣別する瞬間に、もしも良しと思えるものがあるとするならば、
 それは性交の最中に迎える瞬間に違いありません。
 「ど、どうしてあんなことするの?」
 「さくらちゃんを悦ばせてさしあげようと思って」
 「どうしてあれでよろこべるなんて思うの?」
 「はあ」
 「はあって……」
 「まあまあ」
 「あきゃ!?」
  当然のことですが、気分を害された様子のさくらちゃんを、私は右手の僅かな動きで封じて
 しまいました。
 「濡れてますわ……」
 「と、知世ちゃん……」
  キュロットパンツのウエストが、手首を圧迫してきます。それでもさくらちゃんの股間に潜
 り込ませた指先は、ねっちりとした場所を優しく刺激し続けます。
 「熱いですわ……」
 「知世ちゃんのゆび……冷たい……」
 「さくらちゃんのおまんこで温めて下さいな」
 「うん……あっためてあげる……さくらのおまんこであっためてあげるよ……」
  指先でぷるぷるとした柔らかいお肉が震えています。つるりと奥まで滑らせると、途端に指
 の付け根までぬるついた愛液が絡みついてきました。
 「うひんっ!?」
  さくらちゃんが悦んでくれます。私は何度も指を滑らせました。
 「いい! それ、いいよう! きもち──きもちいいっ!」
 「おまんこのお肉が指を挟んできますわ……」
 「ぷりぷりしてるでしょ!? ぷりぷりして……きもちいいっ!」
  絶叫に近い音量で、さくらちゃんは唾を撒き散らしながら叫びます。私を乗せたままのおし
 りが持ち上がり、ひこひことピストン運動まで始めてしまいました。私も我知らずに腰を振っ
 てしまうことが多々ありますが、これも男性との性交を踏まえた上での、女性としての本能的
 な動作なのでしょうか。
 「さくらちゃん、おしり」
 「だってうごいちゃうんだもん! きもちいいんだもん! とめられないもん!」
  なんて可愛らしいんでしょう。私は嬉しくなって、指先でクリトリスを転がしてあげました。
 「ひ──」
  一瞬動きが止まったかと思うと、
 「う、うれしいよう!」
  さくらちゃんは再び動き始めました。
  勃起したクリトリスは包皮の中で、ころころと逃げるように転がります。その度にさくらち
 ゃんが痙攣するのは、まさに人間の愚かさの象徴とも思えます。世の中、人権擁護の名のもと
 に、自由意思の尊重などという言葉が氾濫していますが、性器の中のこんな小さな部分をいじ
 られただけで、ひとはびくびくと身体を操られてしまうのです。そんな生き物に、果して自由
 意思などというものが存在するのでしょうか? まったく愚かしくも素晴らしいことです。
 「とも……きもち……おまんこがうれしいよう……」
  はへ、はへ、と息をつきながら、さくらちゃんがよがっています。そっと胸に耳を押し当て
 てみると、恐ろしいほどの勢いで心臓が跳ね回っているのが感じられました。どんな生物も、
 生まれてから死ぬまでの間に心臓が脈打つ回数が定められているといいますが、この調子では
 さくらちゃんの寿命も大分消費されているはずです。尤も、いまのさくらちゃんに問えば、そ
 れでも構わないという答えが返ってくるでしょうが。
 「きもちいい、きもちいい、きもちいいよう……」
  別にわざわざそんなことを申告してもらわなくてもいいのですが、言ってくれるならば、そ
 れはそれで嬉しいものです。
 「そんなに気持ちがよろしいのですか?」
  こくこくと頷き、
 「すっごいよ、すっごいきもちいいよ!」
  と、さくらちゃん。
  私は最後にクリトリスをひとひねりしてさくらちゃんを引きつらせると、股間から掌を抜き
 取りました。その際、あまりのぬかるみに指が吸着してしまったようで、くちゃりと音がした
 くらいです。
  案の定、指には透明な液体が絡みついていました。弄んでみれば、糸を引きながら白く濁っ
 ていきます。私はそれをさくらちゃんの唇に擦り付けてあげました。
 「ううっぷ……」
  流石に気持ちが悪いのか、さくらちゃんは顔をしかめます。それでも苦言を呈さないのは、
 次の行動を期待してのことでしょう。
  それならば、と私はじりじりと身体の位置を下げてゆきます。途中、荒く起伏を繰り返す腹
 部に可愛らしいおへそを発見したので、ついでにとばかり舌先をねじ込んでみたところ、さく
 らちゃんはおなかを波うたせ、ひぃひぃよがりながら悦んでくれました。
  さて、いよいよさくらちゃんの脚の間に潜り込んだ私は、キュロットパンツのウエストのボ
 タンを外し、ジッパーを下げ、両手を掛けて引き下ろしにかかりました。さくらちゃんはおし
 りを浮かせて協力してくれます。よほど嬉しいのでしょうか、頭を起こしてじっとこちらを見
 つめる瞳は、とろりと溶けながらも、きらきらと輝いています。
  キュロットパンツと一緒にショーツを引き下げると、すぐにさくらちゃんの性器が視界に飛
 び込んできます。外見は単なるすじで、もちろん発毛の兆しもありませんが、前回目にしたと
 きよりも、心持ちふっくらとしているようにも見えます。おまけにその部分の肌がほんのりと
 桜色に染まり、恥骨はもとより周囲のふとももまでもがぬらぬらと濡れ光っているのですから、
 いやらしいことこの上ありません。温かい空気と共に、他人の恥匂が漂ってきます。
  私はうっとりとそこを眺め続けました。花は手折らずに愛でてこそなのかもしれません。
 「ねえ、知世ちゃあん……」
  鼻に掛かった甘い声で、辛抱出来なくなったさくらちゃんがおねだりをしてきました。元が
 可愛らしい声なので、強烈に性欲を煽り立てる響きがあります。ちょっとえっちな言葉を喋っ
 てもらって、それをテープに録音して聴かせたら、きっと十中八、九の確率で、男の方は勃起
 してしまうことでしょう。
 「切ないよう……」
  もじもじとおしりを振るさくらちゃんですが、私は見つめるだけです。普段のさくらちゃん
 は、子供らしい純真さを残している反面、道徳や生活態度にはなかなか厳しいところがありま
 す。いくら相手が私といえども、性器を剥き出しにしてはしたなくおねだりをするなど、とて
 もではありませんがなさらないでしょう。性欲に翻弄されているいまでさえ、そんな理性を感
 じているのは間違いありません。しかし、それを上回る性への憧れ。だからこそのいやらしさ。
 私はそんなさくらちゃんを見るのが大好きです。こうして羞恥と欲望に塗れた姿を目に焼き付
 けておき、これから先の自慰のおかずにするのです。
 「ううーっ! が、がまんできないよう!」
  ついにさくらちゃんは音を上げました。両手の指でぱっくりと性器を開き、おしりを持ち上
 げて私の顔前に突きつけてきたのです。大陰唇という言葉の響きには見合わない清楚のお肉の
 間に、あるかなきかの小陰唇がぬかるんでいるのが見えます。ぴったりと閉じた膣口から、ぴ
 ゅるり、ぴゅるりと愛液が吹き出してはベッドの上に染みを付けています。
 「さくらちゃんったら、おしっこみたいに愛液を飛ばしてますわ……」
 「出ちゃうんだもん! ぴゅーって、いっぱい出ちゃうんだもん!」
 「これでは何かで拭わなくてはなりませんね」
 「舌! 知世ちゃんの舌で拭いてもらいたいよう!」
  即答が返ってきました。
 「私の舌、ですか?」
 「舐めてよ、知世ちゃんのあったかい舌で舐めて! きもちよくしてよう!」
 「そんなに舐めて欲しいですか?」
 「うん、うんうん! だって、ひとりでしてるときって指だけなんだもん! 誰かに舐めて欲
 しいって、ずっと考えてたんだよ!?」
 「あらあら……」
  私のように余計な思考がない分、さくらちゃんの欲求はストレートなようです。
 「ねえ、お願いだから!」
 「わかりましたわ」
  私はそう言って、目の前の性器に口をあてがいました。
 「うっきゃああああっ!?」
  甲高い裏声でさくらちゃんが絶叫しました。びゅる、と熱くて大量の愛液が吹き出し、私の
 口の中に直接溜まります。口中が粘液でコーティングされて、ぬるぬるすることといったらあ
 りません。潮の香りが鼻孔にまで抜けて、腰の辺りがじんじん痺れてしまいます。
  私もさくらちゃんのぺったり張り付くような柔らかくて弾力のあるおまんこの感触に悦んで
 しまい、ところかまわずにべろべろと物凄い勢いで舐め回してしまいます。
 「ひーっ! ひーっ!」
  さくらちゃんは既に狂乱の様相を呈しています。
 「かゆい! おまんこかゆいよ! かゆくてきもちいいーッ! おなかの中を虫が這ってるよ
 う! むずむずしてかゆくてきもちよくておまんこうれしいよーッ!」
 「いいですか? さくらちゃん、気持ちいいですか!?」
 「すごっ──すごいよーッ! 舌、ぬるぬる、あったかい、ずるずる舐めてェ!」
 「さくらちゃん、馬鹿みたいですわ!」
 「バカだもん! さくらバカだもん! えっちでバカな女の子だもん! おまんこ舐められて
 よろこんでるおさるさんだもん!」
  もはや何を言っているのかさえ理解していないのかもしれません。
  私はさくらちゃんに殺意を抱き、
 「馬鹿な女の子なんて死んでしまえばいいんですわ!」
  と、クリトリスに吸いつきます。
 「あへ~~~ッ!」
  幻滅です。さくらちゃんがこんな白痴じみた声を出すなんて。だから私はさくらちゃんが大
 好きなんです。
 「うひぇあッ! と、ともよちあん、しゃ、しゃくらいっちゃうよう!」
 「どこへなりともいってしまえばいいんですわ!」
 「うん、いっちゃうよ! いっちゃう! いってきま~すッ!」
  びくびくびくびくびく、とさくらちゃんの腰に痙攣が疾りました。
 「ほえええええええ、き、きもちいい~~~」
  と、見た目の激しさとは打って変わり、うっとりと言ったさくらちゃんはぐったりと身体を
 弛緩させました。

 

  私はどろりと溢れた愛液を飲み込むと、無抵抗の身体を転がし、うつ伏せにさせました。ぷ
 っくりとした林檎のようなおしりが、絶頂の余韻に時折痙攣するのが素敵です。
  しっとりすべすべのおしりをむにむにと揉むと、口の中がきゅうっとなってしまいます。こ
 のお肉を口一杯に詰め込んで咀嚼したら、どれほどの快感が得られるのでしょうか。
  私は噛みつきたい衝動を堪え、両手をおしりにあてがうと、ぐにゅっとばかりに押し開きま
 した。
 「あう……」
  と、さくらちゃんが呻き、嫌がるようにおしりを動かしましたが許してあげません。ハート
 の形に開いたおしりの谷間は、ぐっしょりと汗と愛液に塗れて、湿った上昇気流を生んでいま
 す。ほかほかと蒸気が立ち昇っているのも、決して錯覚ではないでしょう。
  私はその甘酸っぱい蒸気を胸一杯に吸い込んで、おしりの谷間に舌を這わせます。
 「あ~う」
  ぶるる、とさくらちゃんが震えました。
  丁寧にぬるついた谷間を舐めていると、次第にさくらちゃんの動きがはっきりとしてきまし
 た。それにあわせて、ひょっこりとほんの少しだけ膨らんだ肛門が、ひくくん、ひくくんと蠢
 きます。
 「と、知世ちゃん……おしり、恥ずかしいよ……」
 「なにを今更言っているのですか。前回はおしりをいじってさしあげなかったので、今回はた
 っぷりといじってさしあげますわ」
 「うう~っ、べ、べつにいいよう……」
 「なんて可愛らしい肛門なんでしょう」
 「あう~ッ!」
  舌先で肛門を突きながら、唇で丁寧にねぶってあげます。皺々の襞々です。舌先にえっちな
 感触がずんずんと溜まっていく感じ。うっすらと薫る恥ずかしい匂いもたまりません。
 「うう、お、おしりが~~」
  呻くなり、さくらちゃんは膝を立て、お尻を高々と持ち上げて、更に自らの手でそこを開き
 ました。
 「おしり、きもちいいみたい……」
  ひくひくと、肛門どころか性器までが痙攣しています。
  ちろちろと舐め続けている内に、さくらちゃんも肛門がお気に召したようです。
 「おしりのあな舐められると、おなかのなかがくすぐったいよう」
  などと述べては、ふりふりとおしりを振ります。
  私はそこで、ひとさしし指を一本立てると、予告も無しに深々と肛門に突き立てました。
 「!?」
  声もなく背筋を仰け反らせ、それからさくらちゃんは叫びました。
 「あががあああっ!?」
  指の付け根が太い輪ゴムで締めつけられているようです。さくらちゃんの生の体温で、冗談
 ではなく火傷してしまいそうな熱さ。
 「いいいッ! い、いたいよぉう!?」
 「力を抜いて下さいな。さもないと怪我をしてしまいますわよ?」
 「や、ぬ、抜いてぇ、ゆび抜いてぇ!」
  そうはいきません。私は肛門括約筋の抵抗を排除して、ゆっくりと抜き挿しを始めました。
  さくらちゃんはがくがくと震えながら、
 「ゆび、やだよう、おしりはもういいよう!」
  と許しを請うてきます。
  それでも何事も慣れだとばかりに続けていると、そのうちに本当に具合の悪そうな声になっ
 てきてしまいました。
 「く、くるしいよ……吐いちゃいそう……」
  ずぷり、と挿すと、
 「えう!?」
  と喉を鳴らします。
  もう一度挿すと、
 「ええお!?」
  と呻きます。
  更にもう一度挿したところで、
 「げろろ」
  と、異様に汚らしい水音が鳴り響きました。まるで詰まりかけたパイプに水を流したような
 音です。
  慌てて指を引き抜き、
 「だ、大丈夫ですか?」
  と問い掛けましたが、さくらちゃんは涙声で、
 「ちょ、ちょっと吐いちゃった……」
  と呟いて、悲しげに俯いてしまいました。見ると、さくらちゃんの口の回りは黄色味掛かっ
 た粘液に汚されています。
 「さくらちゃん……」
  突然激しい後悔の念に囚われた私は、そっとにじり寄ってさくらちゃんの口に吸いついてし
 まいました。酸っぱくて生臭い吐瀉物の味と匂いが吐き気を誘いますが、丁寧にすべてを舐め
 取り、こみあげてくる胃液諸共嚥下します。
  唇を離すと、
 「知世ちゃん……ありがとう……」
  さくらちゃんは微笑んでくれました。
 「申し訳ありません……」
 「う、ううん、気にしないで」
 「お詫びに、もう一度いい気持ちにしてさしあげますわ」
 「ほんと?」
 「ええ。どこがお好みですか?」
 「えっと……あのね……おまんこがいいな……」
 「おまんこの、どこですか?」
 「……クリトリス」
 「わかりましたわ」
  快諾すると、さくらちゃんはころりと寝転がって、両足をぱっくりと開きました。
  早速クリトリスにしゃぶりつきます。
  またしてもあへあへとよがり始めたさくらちゃんは、
 「や、やっぱりクリトリスが一番きもちいいよう!」
  と泣き叫びます。
 「そうですわね。男の方はこんなに気持ちの良いクリトリスと同じペニスを、膣の中に入れら
 れるんです。うらやましい限りですわ」
 「ず、ずるいよねえ!?」
 「まったくですわ」
 「こないだ知世ちゃんのちつの中にゆび入れさせてもらったけど、ものすごくきもちよかった
 もん。わたしもおちんちんほしいよう!」
  天啓なのか、それとも私の妄想なのか。とにかくその言葉を聴いて、私ははたと思い立った
 のです。
 「さくらちゃん、おちんちん、つけられるかもしれませんわよ?」
 「ほえ?」
  唐突な台詞にぽかんとしたさくらちゃんに私は言います。
 「要は、クリトリスを大きくしてしまえばいいんです」
 「大きくって……あっ!?」
 「おわかりになりましたか?」
 「もしかして……BIGのカード?」
 「ご名答ですわ」
  ぽん、と手を打って、私は頷きました。数週間前にさくらちゃんが苦労の末に捕獲したBI
 Gのカード。あのカードの魔力を使えば、対象物を大きくすることなどたやすいはずです。
 「で、でも、一部だけを大きくするなんて、やったことないよ?」
 「物は試しですわ」
  さくらちゃんはそれでも暫く悩んでいましたが、どうやらペニスの魅力に屈したようで、最
 後には私の考えに同調してくれました。
  すっくと立ち上がったさくらちゃんが契約の文句を唱え、封印の鍵の戒めを解きます。部屋
 の中には風も吹いていないのに、さくらちゃんの髪が靡いています。魔力のない私には見えな
 いのですが、尋いてみたところでは、封印解除時には光の魔法陣も現れているそうです。
  ともかくさくらちゃんの魔力を受けて、小さな封印の鍵は封印の杖へと大きさと形を変化さ
 せました。上半身はシャツだけ、下半身は剥き出しという姿での魔力の発動は、見るのも始め
 てですが、さくらちゃんにしても始めての経験でしょう。ビデオに収められないのが非常に残
 念です。
  机に歩み寄ったさくらちゃんが引き出しを開けると、中にはハードカバーの本が一冊収めら
 れていました。ワインレッドの──いいえ、乾きかけた血の色をしたその本こそ、伝説の魔導
 師、クロウ・リードの造りしクロウカードを納めたる封印の書です。
  さくらちゃんは封印の書の中から一枚のカードを取り出しました。タロットカードのような
 それは、巨大化の魔力を封じ込めたBIGのカードです。
 「どうすればいいのかなあ?」
 「私には魔力がありませんのでなんともいえないのですが、一部だけ大きくなるようにと、強
 く念じながらお使いになってみては?」
 「うん、やってみる」
  さくらちゃんはそっと瞼を閉じて精神を集中させると、魔力発動の文句を唱えて、空中に放
 ったカードに封印の杖を振り下ろしました。瞬間、どこからか金属の響きのような澄んだ音が
 耳に届いてきました。
  変化は、最初現れないように思えましたが、
 「ほ、ほええ?」
  というさくらちゃんの声がそうでないことを示してくれました。
  見ると、さくらちゃんの股間、性器の割目の前部を押し退けるようにして、ひょろりと長い
 真珠色の肉棒が伸びてくるではありませんか。それは十センチ程度まで伸びると、だらりと股
 間に垂れて、頼り無げに揺れ動きました。
 「やりましたわ!」
 「ほ、ほんとにクリトリスがおちんちんになっちゃった……」
  呆然としているさくらちゃんをベッドに腰掛けさせ、私は早速観察に入りました。それは、
 どうやらクリトリス本体が大きくなった物のようで、見事な流線型の上、全体が非常に薄い皮
 ──粘膜という程ではありませんが──で覆われていました。ペニスのような厚い包皮は見受
 けられず、非常に敏感なようです。
 「触ってもよろしいですか?」
  尋ねると、
 「や、やさしくしてね?」
  と了解の旨が返ってきました。
  私は慎重に指先を伸ばし、つん、とそれに触れてみました。
 「ひゃんっ!?」
  反応は顕著でした。さくらちゃんが仰け反った瞬間に、巨大クリトリスはむくむくと頭をも
 たげ、見事に勃起してみせたのです。
 「ぼ、ぼっきしちゃった……」
  驚いたように言うさくらちゃんですが、勃起したと言っても、大きさに其ほどの変化はあり
 ません。硬度は確かに増してるようですが、前長は相変わらず十センチ程度ですし、この分だ
 と直径も一センチあるかないかというところです。
  今度はそっと握ってみました。ぬるり、とした感触。
 「うっきゃ──!」
 「だ、大丈夫ですか、さくらちゃん?」
  あまりの反応に問い掛けると、さくらちゃんは肩で息をしながら、
 「び、敏感すぎて怖いよう……」
  と泣き声で応えました。
  私はさもありなんと頷いてから、床の上に置いてあったケーキの箱に目をつけました。手元
 に引き寄せて箱を開け、納まっていたイチゴのショートケーキのクリームを掌にまぶし、くち
 ゃりと巨大クリトリスを包んでみます。
 「あは、ん……」
 「どうですか?」
 「う、うん……びりびりくるけど、すっごくきもちいいよ……」
  どうやらその言葉に嘘はないようです。一心に自らの模造ペニスを見下ろすさくらちゃんは、
 締まりのなくなった口許からとめどもなく涎を垂らしているのです。
  こしゅこしゅと擦ってみます。
 「あっ!? あっ!? ああっ!? あひひっ!? ひああっ!?」
  全身をびくびくさせるさくらちゃん。余程の快感を得ているのでしょう。私も女の子にはな
 いはずの器官を掌に感じて、そのピストン運動にうっとりと酔いしれてしまいます。
 「すごい、おちんちんきもちいい! おまんこよりきもちいいよう!」
 「そ、そんなにですか?」
 「ぼっきしたちんちん最高! ちんちん最高だよう!」
  泣いているのか、それとも笑っているのかの判別もつかないさくらちゃんのお顔に、私は辛
 抱堪らなくなってしまい、巨大クリトリスにぱくりと食いついてしまいました。
 「ふぁああああああん!?」
  さくらちゃんが泣いて悦んでいます。私は舌を一生懸命動かして、充足感を味わいながらさ
 くらちゃんのペニスを吸います。それはぴくぴくとはしゃぎまわっては、嬉しい、嬉しいと叫
 んでいるようにも感じられます。
  さくらちゃんはおまんこからだらだらと愛液を零し、腰掛けているベッドを汚しながら、か
 くかくと腰を振り出しました。口の中でペニスが激しく上下に滑るので、私は唇を窄め、舌を
 丸めて、さくらちゃんのいいようにさせてあげます。
 「ああああう、ああああう、きもっちいいよ~~~ッ!」
  妙なイントネーションでさくらちゃんは叫びます。私の口まんこからは、ぬぽぬぽと滑稽な
 音が漏れっぱなしです。
 「知世ちゃんのおくち、ぬるぬる~ッ! あったかいよ~ッ! 幸せだよ~ッ!」
  幸せだ、気持ちいい、嬉しいよ、を連発するさくらちゃんですが、延々五分もその行為を続
 けたあと、ふいにぐすぐすと泣き出してしまいました。
  私は激しく口を突かれ、おまけに両手でしっかりと頭を押さえつけられているので問い掛け
 ることも出来ませんが、理由はさくらちゃん自信が語ってくれました。
 「き、きもちよすぎていけないよう! どうしよう、知世ちゃあん!」
  敏感過ぎるのでしょう。私はなんとかしてあげようと口を離そうとしましたが、
 「だ、だめだよ、いま離しちゃやだよう!」
  さくらちゃんは必死になって腰を振ります。
  私は無理やり束縛を振りほどいて頭を持ち上げました。口内に溜まった唾液が大量に床に滴
 ります。それはクリームと混ざって、白く濁っていました。
 「だ、だめ──」
  さくらちゃんが腕を伸ばしましたが、私はそれを避けることに成功を納めました。さくらち
 ゃんは抑えが効かないらしく、それでも腰をかくんかくんと動かし続けています。
 「落ちついてください、さくらちゃん」
 「だめ、おちんちんが止まんないよ!」

 

  私はお願いだからおくちに入れさせてと懇願するさくらちゃんを宥め、ころりと床に寝ころ
 びました。膝を立て、スカートを捲くり上げます。さくらちゃんはそれを見て、ふいに瞳を輝
 かせました。
 「と、知世ちゃん!?」
 「いいですわ、私の膣に入れさせて差し上げます」
 「ほ、ほんとに!?」
  狂喜したさくらちゃんですが、次には不安そうに、
 「でも、大丈夫なの」
  と尋ねてきました。
  私は、はい、と頷きます。
 「その程度の大きさならば問題はありませんわ。私はいつも指を入れて膣を刺激していますか
 ら」
 「ほんとに?」
 「ええ、保証いたしますわ」
 「で、でも……」
  流石に同性のさくらちゃんです。これが男の方ならば、恐らく一も二もなく伸しかかってき
 ているところでしょう。さくらちゃんは女性であるが故に、処女の膣への挿入という事象に恐
 れを抱いているのです。
 「さあ、はやく挿入して下さい。私も、もう我慢出来ませんわ。セックスしたいんです。ほら、
 私の膣は温かくて気持ちがよろしいですわよ?」
  言いながら性器を指で開いて見せます。その言葉に嘘はありません。溜まりに溜まった性欲
 を、永遠の憧れであるセックスによって発散させる。考えただけでも失禁──いいえ、脱糞し
 てしまいそうです。
 「ううう、知世ちゃあん!」
  突如としてさくらちゃんが飛びついてきました。その体を受け止めると、さくらちゃんは闇
 雲に腰を突き出しては、ぬるぬると私のおまんこにペニスを擦り付けてきます。
 「セックス……セックス……セックス……」
  と何度も繰り返して、瞳をぎらぎらとさせています。ですが、ペニスは膣には入りません。
 「あうう~ッ!」
  ついには入らないまま、本格的に腰を動かし始めてしまいました。
 「さ、さくらちゃん、まだ入ってませんわ」
 「わ、わかんないよ~ッ!」
  私は腕を伸ばし、さくらちゃんのペニスを捕まえました。
 「あ、それきもちいいっ!?」
  呻いて、さくらちゃんは筒になった私の掌にペニスを出し入れしてしまいます。
 「ち、ちがいますわ……」
 「知世ちゃんの手、おまんこみたい!」
 「ちがいますったら……」
  私はじれったくなり、ぐい、と腰を突き出しました。
  それはまったくの偶然だったのでしょう。
 「あきゃあああああっ!?」
 「うふううううううっ!?」
  ぬるり、とペニスが膣内に侵入してきたのです。
  それはもう、目の奥で火花が散り、子宮どころか内蔵すべてが収縮してしまうほどの心地よ
 さをおまんこに感じました。温かくて弾力のある固い物体が、膣壁を押し広げているのです。
 こんなに充足した感覚を味わったのは、生まれて始めてのことです。
 「うわ、うわわわわわわっ!?」
  さくらちゃんは不意の挿入に慌てふためきながらも、一生懸命腰を動かしています。
 「すごいッ! おまんこの中すごいよッ!? な、なんでこんなにきもちいいのおッ!?」
 「そ、それはもちろん男性のペニスを気持ち良くして、子孫を残す為に精液を搾り取る為です
 わ! おまんこというのはただひとつ、それだけを目的に存在しているのですわ! 気持ち良
 くてあたりまえなのですわあ~ッ!」
 「ううう~ッ! 出ないけど、さくら精液出ないけど、なんか出そうだよ~ッ!」
 「わ、私なんてうんち出そうですわ~ッ!」
 「わ、わたしなんて、きもちよすぎて吐きそうだよう!」
  ぬぷぬぷとペニスが出入りする度、喉の奥から勝手に喘ぎ声が漏れてしまいます。自慰では
 味わえなかった、素晴らしくえっちな気持ち良さです。何も考えられなくなりそうです。頭の
 中には、セックス凄い、セックス気持ちいい、セックス最高という言葉だけが渦巻いています。
 「さ、さくらちゃん、素敵ですわ! 素敵に気持ちいいですわあッ!」
 「つぶつぶがあるよ、知世ちゃんのおまんこつぶつぶがあるよう!」
 「そ、そこ、とっても気持ちいいですうっ!?」
 「きゅうきゅう締まるよう、知世ちゃんのおまんこきゅうきゅう締まるよう!」
 「あへっ! あへへっ! あへっ!」
 「と、知世ちゃんのへんな声、とっても可愛いよう!」
 「い、いってしまいますわ──」
 「ほんと? 知世ちゃんすっごくきもちよくなるの?」
 「いっちゃいます……いっちゃいますぅ~!」
 「いって、知世ちゃん、いって!」
 「あわわわわわわわわわわわ──」
  全身に震えが走った瞬間、それが猛烈に細かくて早い痙攣に変わりました。膣がきゅうっと
 締まり、ぐねぐねと蠕動運動を繰り返しているのが、とろけそうに甘美な快感の中解りました。
 おまんこ最高! というような感じです。いま、私は絶頂を迎えているのです。さくらちゃん
 のペニスと膣の間から、愛液がぴゅーっと吹き出ているようです。
 「うああう! うああああう!?」
  さくらちゃんが叫ぶと、細い腰が痙攣を始めました。ぎゅうっと私にしがみついて腰を振っ
 ています。
 「すっごい!? 知世ちゃんのおまんこぐねぐねしてる!? いっちゃう! いっちゃうよ!
 いっちゃうよう! いく~~~ッ!? うあああああっ!?」
  びくん、びくん、びくん、びくん。大きく四度震えてから、さくらちゃんはぐったりと私の
 上に倒れ込みました。
  私もぐったりとしながら、下半身が熱く濡れていくのを感じていました。じょろじょろとい
 う力ない水音は、さくらちゃんのおまんこから聞こえてきます。どうやら弛緩しきったさくら
 ちゃんは、おしっこを漏らしてしまったようです。
  始めてのセックスに夢見心地の私でしたが、さくらちゃんは更にその上をいっているようで
 した。気を失って、ぴくりとも動かないのです。
  ゆっくりと心地よい重さを体の上から退けると、ぬるんとペニスが抜け落ちました。
 「あう──」
  私は呻いて、さくらちゃんを仰向けにしてみました。
  そのペニスは、まだ上を向いて痙攣を繰り返しています。さくらちゃんは白目を向いて、そ
 れでも満足気な表情を浮かべていました。
  私はそっとさくらちゃんのお顔の上に跨がり、下腹部に力を入れます。さくらちゃんがして
 くれたように、私もおしっこのお返しをしてあげるのです。
  ぷしゅりと出始めたおしっこは、尿道を裏返しながらじょろじょろとさくらちゃんのお顔に
 降り注ぎます。半開きの唇に狙いを定めれば、じょぼじょぼと口内に溜まります。さくらちゃ
 んはむせながらも、無意識の内に喉を鳴らして飲み込んでくれるのです。お鼻の穴に狙いを定
 めれば、見事にそこに飛び込みます。さくらちゃんはふがふがといいながらも、やっぱりそれ
 を飲んでくれます。ほかほかと湯気の立つおしっこにさくらちゃんのお顔は塗れ、髪もぐっし
 ょりと濡れそぼり、床に大きく広がって行きます。カーペットにすら染みてしまいました。
  一息ついた私は、もう一度さくらちゃんの股間に目をやりました。有り難いことには、術者
 が気を失っているというのに、BIGの魔力は未だに継続しているようでした。
  が、巨大クリトリス自体はぐんにゃりとしています。むらむらとする新たな性欲を感じた私
 は、それを口に含んで再び使用出来るように刺激を送り、見事に勃起させました。
  ゆっくりと跨がり、おしりを下ろしてゆきます。
  ぬるるるる、と入りました。
  さくらちゃんは気絶しながら悦んでいるようです。
  私は時に激しく、時にゆっくりとおしりを振りながら、さくらちゃんのペニスを使ってセッ
 クスを楽しみます。さくらちゃんのお部屋に、私のあへ声がはしたなく響いています。
  私はこのときに思いました。さくらちゃんはまだまだ私を楽しませてくれそうです。愛らし
 くて元気なさくらちゃん。私はそんなさくらちゃんが、やっぱり大好きです。もう、恐らく二
 度とは離れられないでしょう。
  冬休みは短いものですが、いまという時間は永遠なのです。
  或いはその時間に願いを込めて。

 

                                   終焉

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