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              「土曜競馬実況中継」

 

 

  学校から帰るなり、さくらは自室に駆け込んだ。

  ドアを閉め、鞄を放り投げて、制服も着替えずに、閉め切られた夏の暑い部

 屋の真ん中に立ち尽くしたまま、大きな身震いをぞくぞくした気持ちでやり過

 ごす。

  上気した頬が俯くと、潤んだ瞳の先に、彼女のお気に入りが自己を主張して

 いた。

 「おちんちん……」

  とろりと蕩けるような呟きを吐息と共に漏らしたさくらは、小さな右手を下

 腹部に添えた。

  濃紺のプリーツスカートの中央部は、内側から不自然に持ち上げられている。

 中毒になりつつある自慰に思いを馳せた瞬間から、そこは少女の新鮮な血液を

 蓄えては、とくとくと脈打ち始めていたのだ。

 「はわっ──」

  甲高い、笑いを誘うような呻きを上げて、さくらはびくりと仰け反った。膝

 が笑って、崩れ落ちそうになるのをなんとか堪える。奇妙な民謡の踊りに見え

 なくもないのが、またなんとも滑稽だった。

 「すごいよう……敏感だよう……」

  下着と、それからスカートの上から軽く触れただけで、腰から全身にむず痒

 い粟立ちが広がったのだ。幼さをたっぷりと含んだ桜色の唇からは、既に涎が

 ねっとりと溢れ出している。

 「ひゃ……すご……すごいよう……おしっこ漏らしちゃうよう……」

  天井に白痴染みた瞳を向けたまま、少女は恥知らずに腰を痙攣させる。彼女

 はもちろんそこから得られる快感もお気に入りだったが、なんとも言えない甘

 酸っぱい「えっちなきもち」が何よりも好きだった。

 「お、おちんちん痒いよう! オナニー、はやくするの──白いのいっぱいだ

 したいの!」

  さくらはスカートをまくり上げると、柔軟性に富んだ小児用のショーツに手

 をかけた。

 「うひんっ!?」

  ショーツが引き下ろされると、ぷるりとばかりにペニスが震えた。さくらは

 それをひくつかせて、もどかしい刺激に悦んだ。

  少女の股間に生えた場違いも甚だしいペニスは、しかし大きさだけは少女に

 見合うものだった。激しく勃起してはいるが、いいところ5センチ程度の長さ

 しかないだろう。包皮に完全に覆われた、初々しい包茎のペニスだ。

 「パンツ脱ぐの好きィ! えっちなきもちがいっぱいっ!」

  誰に言うでもなく、しかし部屋中に響きわたる大声を唾を撒き散らしながら

 さくらは叫ぶ。白い尻をつるりと滑るショーツの感触は、何度体験しても素晴

 らしいものだった。これから自分が、破廉恥な自慰行為に及ぶのだという事実

 を、これでもかとばかりに教えてくれるから。

 「はひ……」

  さくらはそれを考えただけで、つい射精しそうになった。きゅっと可愛らし

 い尻を閉じて、融通の効かない脊髄反射を腹部の底に押し戻す。それでも汚れ

 のない透明な粘液が少量迸り、板張りの床に小さな光りの粒を描いてしまった。

 「嬉しい! いっぱい溜まってる……いっぱい出せるよう!」

  喜々として床を見下ろし、その場にぺたりと尻を落とした。

  背中をベッドの縁に預け、両脚を大きく開いて投げ出す。腰の辺りで襞にな

 ったスカートの向こう側に、ひょっこりとペニスが立ち上がっている。少女の

 溌剌とした脚の間で、それは酷く淫らに見えた。

 「わたしのおちんちん……えっち……」

  うっとりと言って、指先でそっと摘む。

  それはしっとりと湿っていた。すこすこと上下運動が始まると、ねちゃつい

 た音が流れ始める。

 「あう……ああ……ふう……」

  程無く少女は呻き声を立て始めた。眉根を顰めて、堪えるように瞳を閉じて

 俯く。半開きの唇からは、湿った吐息がせわしなく漏れた。

 「はひっ……お、おちんちんきもちいいっ! ぞくぞくするよう! オナニー

 きもちいいっ! おちんちん擦るの、すっごいきもちいいようっ!」

  さくらの幼い性感神経は、すぐに昂って限界を迎えようとしていた。

 「はひゃああああっ! ふひいっ! うきゅうっ!」

  意味不明の喘ぎを響かせ、さくらは尻を蠢かした。そうすると尻肉が開いて、

 肛門が床に擦れるのだ。無論付近にある女性器すら例外ではない。刺激に、膣

 からは粘液と呼ぶにはさらついた液体がじゅくじゅくと滲み出す。

 「おしりっ──おしり、いいっ! おまんこもぬるぬるしてきたよう! ちん

 ちん、ちんちんもきもちいいっ! えっちなのがあふれちゃうようっ!」

  股間に空いている左手を延ばしたさくらは、自らの分泌した体液をたっぷり

 と指先に絡めた。温かさを失わないように、素早くペニスにまとわりつかせる。

 「うひいっ!? ぬるぬるっ! ぬるぬる、すごいっ! おまんこのお汁、ち

 んちんぬるぬるきもちいいーっ!?」

  さくらは腰を浮かせ、何もない空間に向かってかくかくと尻を突き出してい

 た。

 「はふっ! はひっ! ひいっ! へふんっ! うんっ! うん!っ」

  激しい息づかいに涎が流れ、その瞳はじっとペニスを見つめていた。

  ふいに力の籠もった指先が、ぐいと包皮を引き下ろした。

 「はひいいいいいっ!?」

  仮性包茎のそこは、ぬるりと剥けて桜色の先端を外気に晒す。

 「剥けちゃった……剥くとすっごいえっち!」

  処置に満足したのか、それとも刺激がそれを後押ししたのか。さくらの腰に、

 不意に痙攣が走った。

 「ほえっ!? いっちゃう!? もういっちゃう! きもちいいのがすごいい

 いいっ! で、出ちゃううううっ! 白いの出るうううっ! ぴゅって──ぴ

 ゅって出ちゃうようっ! 出すの、白いの出すの! さくら、女の子なのに男

 の子の白いの出すのっ! ぴゅううううって!」

  その瞬間を少しでも見逃すまいと、さくらの視線は不規則に跳ね回るペニス

 の先端に吸いついていた。

  が、その瞬間、ついにさくらの瞳は反転してしまった。脊髄の中を蟲が這い

 回っているような強烈な掻痒感。白目を剥いて全身を痙攣させるしかない少女。

 「ひゃ──いきゅうううううううっ!?」

  ぶびゅっ! びびゅううっ! どぴっ!

  かくかくと跳ね回るそこから、不意に白い液体が迸った。このまま死んでし

 まうのではないかとさえ思わせる激しい痙攣に、精液はそこら中に飛び散った。

 二度、そして三度。吹き出す度に幼い精液の匂いが立ち込め、床と言わず彼女

 の身体と言わずに降り注ぐ。成人男性とてこれ程の量を出せるかどうか──。

 「いってるよおおおっ! さくら、いまいってるよおおおっ! きもちいいよ

 おおおっ! きもちいい! きもちいい! きもちいいよおおおっ! きもち

 いい真っ最中だよおおおおっ! 白いの出るときもちいいよおおおおっ! き

 もちよすぎてバカになっちゃうよおっ!」

  どたばたとのたうち回りながら、さくらは絶叫して精液をまきちらした。膣

 からもそれに呼応して、透明な体液が飛び散り、彩りを添える。

  そして、ようやく射精が終わっても、少女の性欲は萎えていなかった。

  右手にべっとりと絡みついた精液を、女性器に一生懸命に塗り込む。

 「赤ちゃん出来ないかな……赤ちゃん……さくらの赤ちゃん欲しいよう……」

  そして自らの背徳的行為に更に欲情を深め、固さを保ったままのペニスを再

 び摘む。

 「もっとオナニーするの……もっときもちよくなんないとだめだよ……」

  ねちゃねちゃと精液が擦れて異様な音を立てる。

 「白いのきもちいい……すっごいよ……」

  ふと、そこでさくらは右手の動きを止めた。それから尻の位置を落ちつける

 と、膝を抱え、ぐいっとばかりに上半身を倒したのだ。

 「も、もうちょっと……」

  さくらは試そうとしていた。自らの口でペニスを慰めるのだ。指でしただけ

 でもあれほどなのだから、ぬるついた舌で刺激したなら、もっと気持ちがいい

 に違いない。そう思いつつ、今まで出来なかった行為だ。なにしろ一度自慰を

 始めてしまうと、途中で指の動きを止められなくなってしまうさくら。始めか

 ら試してみようとしても、一刻も早く射精の快感を味わいたくて、それもまま

 ならなかった。だが、ついに好奇心がそれを上回ったのだ。

 「うう……」

  さくらの身体は柔らかい。無理な体勢には違いなかったが、口許がペニスの

 すぐ傍まで近づいた。

  小さな舌が、くいっとばかりに延ばされた。

  そしてひと舐め。

 「ふええっ!?」

  信じられない快感。生温かく、ぬるついた感触。

 「ひひひひっ!?」

  びびゅっ! ぺちゃっ!

  ひとたまりもなく、さくらは射精に至った。びくりと跳ねたペニスから精液

 が吹き出し、幼い顔にぶちまけられる。

  鼻孔にまで侵入した精液を鼻水のように垂らしながら、さくらはうっとりと

 した驚きに全身を委ねた。

 「き、きっもちいいっ! すごいすごい、こんなにきもちいいなんてっ!」

  今度は素早かった。

 「はもっ──」

  ぱくりとペニスを口中に含むと、恐ろしい勢いで舌を回転させる。

 「きゅうううううう──」

  喉の奥で呻く。ペニス全体を温かい唾液が包み、ぬるついた粘膜が擦り上げ

 る。火傷したような感覚が、纏めて脊髄に襲いかかった。

  それに上下運動が加わった。

 「はぷっ──ふぽっ──ぷはっ──へぽっ──」

  団子虫のように丸まった少女は、激しく頭を動かした。

  限界は、またしても唐突にやってきた。

  とぷんっ!

 「んむう──」

  口中に弾ける熱い精液。

 「んっ……こくっ……こくっ……」

  可愛らしい音を立てて、さくらはそれを飲み込んだ。

  小刻みな痙攣のまだ残る中、さくらはそこから顔を上げた。飲みきれなかっ

 た精液が大量の唾液と混じり、どろりと唇を割って流れ落ちる。

  放心したように横たわった彼女は、しかしまたしてもペニスを弄び始めた。

  有機物の立てる音を聞きながら、腰を高々と持ち上げては嬌声を上げる。

 「やっぱりオナニー、きもちいい……セックスしてみたいよう……おちんちん、

 おまんこの中に入れてみたい……知世ちゃんのおまんこっ! 知世ちゃんのお

 まんこ、あったかくて、ぬるぬるしてて、きゅうきゅうにきつくって……さく

 ら、すぐにいっちゃうの! ぴゅって知世ちゃんのおなかの中に出しちゃうん

 だよ、きっと! そしたら知世ちゃん、赤ちゃんが出来ちゃって──知世ちゃ

 んにさくらの赤ちゃん生んで欲しいよ! 生ませたいようっ!」

  妄想に再び腰が上下に動き出す。

  びたん、べたん、と、尻が床に当たって湿った音を立てる。

 「きもちいい~! きも……きもち良すぎて吐きそうだよう!」

  素晴らしい勢いでペニスを擦りながら、さくらは矛盾した感覚に襲われた。

 「うええっ!?」

  嘔吐感に悶える。

 「げおっ──げぶげぶげぶげぶっ!?」

  汚らしい音と共に胃に溜まっていた気体を吐き出した少女は、それでもペニ

 スをしごきつづけていた。涙と、鼻水と、唾液。それらが真っ赤に染まった顔

 をぬらぬらと光らせる。

  若干舌に感じる胃液の酸味に、彼女は三度目の射精を行った。

 「いひ──きゃああああああっ!?」

  窓硝子が振動する程の悲鳴は、強い快感のもたらす死の恐怖によるものだ。

 「死ぬっ!? 死んじゃうけどきもちいいっ! 死にながら出すの、きもちい

 いのぉおおおっ! おしりのあながひくひくするっ! 白いの出すとひくひく

 するうっ! おまんこもいってる! いってるよう! おしっこも──出ちゃ

 うううううっ!?」

  女性器の尿道から、飛沫が盛大に飛び散った。霧吹きで吹いたようにそれは

 舞い、一部は奔流となって床を洗った。膣からも、先程と同じように愛液が飛

 び散る。

 「はにゃあああ……きもちよかったよう……」

  満足したのか、しばらくしてさくらはうっとりと力を抜いた。

  部屋中に飛び散った様々な体液の中にあって、少女は拙くも幼い性欲を満た

 したのだ。

 「でも……もういっかいしたいな……オナニー……」

  魔法の言葉は、そしてさくらを蠢かせるのだった。

 

 

 

                             自爆

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